明けない夜はないよ。

8.8 東京ドーム


「僕達は、明日の生放送でジャニーズJr.チャンネルを卒業します。」



やっと、夜は明けるらしい。



私が彼らに出会ったのはたしか7年前。

今思えば、まだまだ若くてまとまりもなくて
勢いに乗って、1番前で走っていたなと思う。

ほとんど同い年の私にはそんな彼らが眩しくて、
もしかしたら普通に見るより数倍
格好良く見えたのかもしれない。

格好良いかと思ったら
みんなで小さくぎゅっとして、
お互いの手なんて握っちゃったりして。

どっかの誰かが言ってた。

「わちゃわちゃしてるだけで
女の子はキュンときちゃうんですよ。」

多分それだったんだと思う。

顔が良くて、歌って踊れば格好良いのに
そんな彼らがわちゃわちゃしてる。


キュン


同じ高校生でも至ってモブキャラな私は
そんな姿にまんまとキュンとした。

そうやって私みたいに6人に恋した子は
たくさんいたんじゃないかな。
今、どれだけその子達が残っているかは
分からないけれど。まぁその話は追々。

そんなこんなで、
眩しい彼らに心奪われていたら

ドラマの世界だけじゃなく、
歌番組でも6人で歌う姿がよく見られるようになった。

ドラマ主題歌をスタンドマイクで歌う彼ら。

ちょっと背伸びした、スーツみたいな衣装が
よく似合ってた。あの色、また着てほしいな。

大きなグループの持ち歌を次々と歌う彼ら。

格好良くて、見せ方が上手いなと
ぼんやりと見ていた。

徐々に徐々に、宝物みたいな映像が
どんどん溜まっていった。


夏に、彼らはメインとしてライブをした。
TDCホール。

小さな天井を吊られて回る彼らは
ちょっとだけ、泣いていた、らしい。
(参戦はしていない)

Jrの涙は怖い。
いつだって、何かが始まる合図でしょ。


密着番組でも変わらず
彼らは、もっともデビューに近い、なんて
言われてた。

ご飯を食べながら台本を読む姿は
今も変わらずあるのかな。
ちょっとエモくって泣いちゃいそう。

そして、彼らが出会ったものは
映画という形でもう少し、大きくなって
世に放たれた。

地元は少し遅れて公開になって
ひっそり見に行った。
すっかりJr担だったのに、
まだ少し、Jr担だと言い張るには
勇気が必要だったから。

1つだけ後悔がある。

あー、パンフレット
買っとけばよかったなぁ。

たった数百円の出費をしなかった自分を怒りたい。

もうすぐ6人でいるところ、
見れなくなるぞ、後悔するぞって。

少しずつ、噂は聞こえてきていた。
耳にしたくなくても。
6人でいる彼らはもうすぐで見れなくなるなんて
認めたくなかったけど。

12月、横アリでJrライブがあるらしい。

お花畑だった私は
あ、ここで何かあるのかな♡とか
呑気なことを考えていて。

ライブが終わって何も起こらなかったことに
単純に落ち込んでいた。

まだ名前すら貰えないんだ、なんて。


馬鹿だよね。
もうそんな段階の話じゃなかったのに。

少クラで、6人が一緒にいる姿を
最後に見れたのはいつだったかな。

最後は、衣装もバラバラで
映る量にも差があって、

何で。何で。

疑問ばかりが生まれて、嫌な予感は大きくなって。

次に見た姿は6人ではなくなってた。

2人だけでのステージと

他のみんなと一緒な4人。


少しずつ、見たくない差が生まれてた。


6人だったはずのライブも
知らない間に2人と4人になっていて。


2人で歌う彼らも
違うところに居た人を受け入れた4人も
見るのが少し、苦しかった。

2人ライブを朝の番組で特集されてるの
今でも鮮明に覚えてたりする。

2人が4人公演を見に行ったことも知った。

なんて思った?

あの頃の2人に対する私の感情は
思い出したくないくらい酷かったと思う。
裏切った、なんてそんなわけないのに。

今やっとにこにこしながら2人だけの
パフォーマンス見れるけど
見返せないこともあった。

かっこよかったからさ、2人。
単純に悔しかったのもあると思う。


そんな2人も、徐々に徐々に
見せ場が減っていった。

いつの間にか、みんな、平等になっていた。

それもそれで怖かったけどね。

青春みたいで楽しかったけど
怖かった。

「この中から選抜して数人選ばれて
デビューなんじゃないの?」とか、
「でもそうなったら一生6人は6人で居られない。」
とかマイナスのことばっかり思い浮かんで。

過去に縛られてるとも思ったこともあったよ。
実際色んな言葉もあったから。

少しずつ、6人から離れていく人もいたし。


でも、信じ続けたかった。
6人が好きだったから。

そんな思いが少しだけ伝わったのかな
なんて思ったときもあった。

雑誌で久しぶりに6人で揃ったり
歌番組でたまたま6人が近くで歌ってたり
同じメドレーにいたり。

そんなちょっとしたことが嬉しくて
ちょっとしたことが、救いで。

雑誌は絶対買ったし、
歌番組にもメッセージを送った。

それで少しでも6人を望む声が
伝わればいいと思ったから。


そしたら集まる機会が増えてきた。
一緒に歌うことも増えてきた。

ちょっとだけ、期待した。
また始まるのかな、って。


そんなとき、ある雑誌の対談で
ハッとさせられた。

2人と4人になっていた頃、
4人のグループチャットのグループ名は
「残り者」だったこと。

2人は4人との場所に、
別の人が居たことが寂しかったと思ってたこと。

そして、

もう、「バカレア組」への未練は無くなったこと。


私達はほんとに過去に縛られてたんだ。
彼らは前だけを向いて成長して変化して
私達だけ、置いて行かれていたのかな。

なんて、多分それまでで1番のショックを受けた。

私達が信じてたものを
本人たちは望んでなかったのかな、とか考えた。

ましてや、大好きな2人の言葉だったから
どうやって消化すればいいか、受け止めればいいか
最初はよく分からなくて、戸惑った。



でもね、好きだったんだ、6人が。結局ね。


そんな簡単に、やめられなかった。

未練なんてありまくりだったから。


衝撃を受けた言葉も
「成長したから昔のままじゃしっくりこなかっただけだよね。新しい姿で、また6人で、新しい場所を作ればいいよ。」なんて、都合よく解釈して。

だって、未練がなくなったなんて言うくせに
6人が揃う場所は増えていったから。


歌番組でも6人が久しぶりに6人で歌った。

大きな歓声を浴びて
煙の中から出てきた姿にはゾクゾクした。

そして、同じようにたくさんの人が
彼らを求めていたことを知って嬉しくなった。

それと同時にまた、
色んな言葉が目に入るようになったけど。

過去に縛られていた私も居たから
何も言えなかったけど、けど………。

そんなふうに
思ったより厳しい現実のなかで
たくさんの厳しい言葉の中で
迷いながら、不安になりながら、
たくさん模索して
新しい場所を作るように歌い踊る彼らは
やっぱり私が大好きな6人だった。

でもまだ、自信はなくて。


またバラバラになるのかな、とか

2人が仲良くしていると怖くて
また2人だけが前に行くのかなとか。


トラウマみたいにあの姿が過る。

歌番組で一緒に歌っても
雑誌にまた一緒に写りだしても。



そんなとき、5人のライブが始まった。

ちょっとだけ、外部舞台で出られない自担を
なんでこんな大事なときに!って思っちゃった。
こればっかりはほんと謝る。ごめん。
あんなに頑張ってたのに。こんなヲタクでごめん。
そして、忙しいはずなのに、大変なはずなのに

彼は5人のところに居た。
すこしだけ、驚いた。



そうやって、不安定ながら
6人のライブをしていた彼らはある発表をした。

今でも、あのレポが回ってきた日のこと
鮮明に覚えてる。


バカレア組にグループ名がついた。
名前は、six tones ?


嬉しくて嬉しくて、震えが止まらなくて。

デッサンの授業中だった私は
震える手で何も描けなくて。

必死に涙をこらえた。
家で一人だったら泣いてたな。


やっと、6人で居られる。

もうそれだけだった。


まぁまだ少しだけ不安だったんだけど。

だって、彼らはあくまでJrだから。

いつまたバラバラになって
いつ誰かが居なくなるかなんて分からない。
いろんな人がそうやって涙を流してるの知ってたから。


もうね、臆病になってるわけ。



すぐ名前も変わるし。

ここでSixTONESになったんだけどね。

雑誌やあの少クラのざわざわは
今となっては良い思い出。

「あれ?six tonesじゃなくて?
なに?SixTONES
桐山くん間違えてない?」って、笑


でもそっからの彼らは凄かった。

ただ勢いにのって、
誰かが作ってくれた波に乗っているだけの彼らじゃない。


明らかに、あの頃のパフォーマンスとは違ったから。


初めてオリジナル曲ももらって、
6人だけのライブが決まって。

そこからの彼らのことは改めて書く必要もないかな。

一歩々々、

SixTONESは大きくなった。



そして、

掴みとった今。


長かったね。


やっと、夜は明けるらしい。


あの頃みたいにもう怖くなんてない。
あの頃みたいに震えたりしない。

覚悟した彼らは、きっと、強い。私達も。



彼らを応援し続けていて良かった。
信じ続けて良かった。


心の底から思う。


あの頃とは違う。

たくさんの人が、
SixTONESの背中を押してくれている。

たくさんの人が
SixTONESを求めている。


どんどん大きくなってほしい。

寂しいなんて、
そんな私の戯言になんて構わなくっていい。
言っちゃうかもしれないけど。

SixTONESは止まらなくていい。

大きくなってたくさんの人を魅了してほしい。


でも1つだけ、1つだけ言わせて。


私が望むことは、本当にこれだけだから。


6人が6人でいてくれれば
それだけで良い。


だって、

だいっすきな6人だから。




改めて、

6人で

SixTONES

デビュー決定、おめでとう。



これまでも、これからも

ずっとずっと大好きです。


てっぺん取りましょう。




デビュー決定
やったーーーー!!!!


ズドン。